ISO審査員になりたい方必見!【マネジメントシステム認証機関の採用情報(ISO審査員のお仕事)】を公開しました

ISO審査員インタビュー-田中秀明

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現役ISO審査員として活躍しているテクノファ講師陣へインタビューを行いました。審査員になるきっかけ、どんなところにやりがいを感じているか、等をぜひ感じとってください。


作戦は「ニコニコ作戦」。

「落し穴は掘っていません。」

審査員名:田中 秀明

Q.1 現在の所属と仕事内容、またそれぞれ占める仕事量の割合を教えてください。

認証機関の外部契約審査員、テクノファと外部講師契約、コンサルタント契約

Q2. 現在、審査員としての稼働日数はどの程度ですか?

月平均2組織のリーダー及びメンバー審査

Q3. そもそも審査員を目指すことになった(資格取得した)きっかけをお聞かせください。

所属していた組織の審査をした審査員と交流が深まり、審査の意義であったり目指すことに共感し、自分でできる範囲で自分なりに審査をしようと考えたためです。

Q4. 審査員のやりがい・メリットにどのようなものがありますか?

1)やりがい:組織の改善が見られたとき、改善に対する組織の理解が得られたとき、組織がPDCAを機能させているとき、組織自ら改善に取り組んでいることが見えたとき
2)メリット:
(1)自分の経験が審査組織に対しどの程度役に立ったか、その経験がどの程度の深さや広さであったかが判ること
(2)所属していた組織で経験できないことがほんの少しですが審査で体験できること、その体験が他の審査組織に活かせること(もちろん、具体的内容はマル秘としていますが)

Q5. 一方で、苦労することはありますか?(失敗談を含む)

苦労というより、残念と感じるときは、改善できるように審査をしても、現状で満足しているか、改善に意欲がない組織を審査するとき非常に残念と感じます。せっかく、審査費用を支払っているのですから、その分「お土産」を残してほしいという積極的な組織になって欲しいと願うところです。

Q6. 審査員として活動するうえで心がけていることをお聞かせください。

審査でもテクノファの講師でもそうですが、

1)最初から「否定」しない。実際の活動をまず「是」とし、現状をよく観て、よく聴いて、よく理解して(立体的審査(3D審査)⇒結論に到達するまでに必要な情報は貪欲に入手する、つまり、外堀を埋め、内堀を埋め、本丸(結論)に到達する)から被審査組織と共に改善に向けた検討を行うことです。どれだけ小さな改善でも組織の改善への意欲の「トリガー」になれば組織としてはその後の改善への弾みであったり、効果が期待できるのではないかと考えています。

2)常に組織がリラックスできるような雰囲気づくりを心掛けています。例えば、審査が始まって5分と経たないうちに被審査組織から「笑い」が生まれるように心がけています。審査員が何か質問すると、指摘を受けるんじゃないかというような雰囲気は払拭するような雰囲気を創りをしています。

3)それと、知ったかぶりで審査しないようにしています。そのためにも、審査が始まるときにこのように言っています「私は、この組織のことは全くと言っていいほど知りません。そのために素朴な質問をしますので、そのまま(少し前にはやりました、ありのままに)教えていただければ結構です。落し穴は掘っていません。」と。

4)作戦は「ニコニコ作戦」です。難しい顔をしたり、考えたり、首を傾げたりなどしない。審査中は常に「ニコニコ」しています。冗談や親父ギャグは必須です。

Q7. 審査員という職業人として最新情報を常にアップデートするための情報源や力量の維持方法を教えてください。

所属している審査機関での「技術検討会」での情報の理解、テクノファでの情報の理解、メディアからの情報の検証・理解、など疑問に思ったり、知らないと知ったときには深く理解を求めるようにしています。

Q8. 今の認証機関と契約するきっかけは何ですか?
例)認証機関の関係者からのリクルート、●●からの紹介、ホームページの求人案内・・・

所属していた組織の審査機関であったことが大きな理由です。

Q9. 見習い審査員からリーダー審査員になるまでの期間とそのステップを教えてください。

ステップについては各審査組織での決めごとがあると思いますが、小職はリーダーになるまでに(コロナの関係もあり時間が掛かりましたが)2年かかりました。

Q10. 審査員になる前と後では収入面にどのような変化がありましたか?また、審査員の仕事だけで安定的な収入が得られるまでの期間はどのくらいかかりましたか?

審査の数だけの収入はありますから、それなりに収入は増加しています。やはりリーダーになることで、やりがいであったり、収入は増えると思いますが、小職のケースは上述のとおり2年ぐらいかかりました。

Q11. 認証機関選びのアドバイスがあれば教えてください。

自分の所属している組織に関係する審査機関がやり易いのではないでしょうか。自動車関係は自動車に関する審査機関など。

Q12. これから審査員を目指す方に一言メッセージをお願いします。

1)「改善」をどのように進めるかが大切だと思います。この組織を良くしたいんだという「想い」を根底に、常に組織に寄り添い、組織の活動の改善点を見つけ出す、山に登るのに色々な方法があると思います。組織により、改善という「頂」に登る方法は異なります。どの方法が最善かということも考えながら、組織の改善を促進することが大切と考えます。

2)組織に役立つ審査、審査を受けて良かったと思ってもらえるような審査、組織は審査時点でもこれからも活動を続けており、組織は、その組織の「決めごと」にはすべて「適合」であります。不適合のはずがありません。常に「改善のネタ探しの場」と意識して、出来ていることを、ありのままに理解し、その状態を更に良くする「改善点」を見つけ出してください、そして常に、組織の満足(顧客満足)を心がけることも大切かと思います。ただ、忖度は不要ですが・・・。

3)自分が所属していた組織と審査組織は全く異なります。その前提で、自分を白紙状態にして審査に臨んでください。自分の属していた組織では出来ていても、審査組織では出来ないこと、やっていないことは山ほどあります。基準(スタンダード)をどこに置くかをよく考えて、上述しましたが、常に組織に寄り添って審査してください。

4)審査組織では、私たち審査員を「先生」と呼ぶところがあります。特に中小はそうですが、私たち審査員は「先生」ではありません。ただの「審査員」です。審査員であることを常に意識することも大切と考えています。

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