高圧ガス保安法は、高圧ガス(圧力1メガパスカル以上の圧縮ガス等)の製造、貯蔵、販売、移動等に関して規制し、高圧ガスによる燃焼、爆発等による災害事故を未然に防止することを目的としています。
有識者・関係業界団体等による審議等を踏まえ、省令等の改正(予定)に伴う関係内規の改正等を行うにあたりパブリックコメントが実施されています。
改正の概要
1.改正等を行う内規
(改正)
・一般高圧ガス保安規則の機能性基準の運用について(一般則例示基準)
・液化石油ガス保安規則の機能性基準の運用について(液石則例示基準)
・コンビナート等保安規則の機能性基準の運用について(コンビ則例示基準)
・高圧ガス保安法及び関係政省令等の運用及び解釈について(内規)(基本通達)
(新設)
・一般高圧ガス保安規則第15条第1項第5号、コンビナート等保安規則第14条第1項第5号、液化石油ガス保安規則第16条第1項第5号及び冷凍保安規則第17条第1項第6号に掲げる「試験研究施設における処理能
力又は冷凍能力の変更を伴わない変更の工事であって、経済産業大臣が軽微なものと認めたもの」の取扱いについて(内規)
2.措置の概要
(1)圧縮水素スタンドにおける常用圧力上限値等の見直し
一般高圧ガス保安規則等において、圧縮水素スタンドに係る技術基準における常用の圧力の上限を「82 メガパスカル以下」から「93 メガパスカル以下」に改正することを予定しており、それに伴い、関連する一般則例示基準等について所要の改正を行うもの。
(2)設備の点検・異常確認時の措置
一般高圧ガス保安規則等において、高圧ガスの製造設備等に係る点検に係る基準について「設備の使用開始時及び使用終了時に施設の異常の有無の点検、使用中の設備の作動状況の1日1回以上点検する」旨の規定を「施設の異常の有無を適切な方法により点検する」旨の規定に改正することを予定しており、それに伴い、関連する一般則例示基準等について所要の改正を行うもの。また、空気液化分離装置による酸素等の製造施設である事業所における遠隔監視による設備の点検・異常確認時の措置等として、遠隔監視のために必要となる措置、製造設備の稼働状況についての異常の有無の点検方法等について、新たな基準として例示するもの。
(3)空気液化分離装置による製造施設である事業所における保安企画推進員の選任のための要件
一般高圧ガス保安規則及びコンビナート等保安規則における保安企画推進員の選任等に係る規定について、現行掲げている一律の要件のほかに、経済産業大臣がこれと同等以上の知識経験を有すると認めた者を選任することができるよう改正することを予定しており、当該者の例として、空気液化分離装置による酸素等の製造施設である事業所において選任する保安企画推進員について、その具体的な要件を基本通達において示すもの。
(4)高圧ガスの製造の規制を適用しないものの追加
高圧ガス保安法施行令関係告示において、「陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の製造のために使用されるサ
イクロトロン」内の高圧ガスについて、新たに規制対象から除外する改正を予定しており、これを踏まえ、当該サイクロトロン内に陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の製造に必要な不活性ガス等を当該サイクロトロンとともに遮蔽壁等内に設置した充塡容器等から気化等により供給する場合について、高圧ガスの製造に係る規制を適用しない旨を基本通達において示すもの。
(5)試験研究施設における軽微変更工事の具体化(内規の新設)
法第 14 条第1項ただし書の経済産業省令で定める軽微な変更の工事として、一般高圧ガス保安規則第 15 条第1項第5号等で掲げる「試験研究施設における処理能力又は冷凍能力の変更を伴わない変更の工事であって、経済産業大臣が軽微なものと認めたもの」について、その具体的な要件や手続き等に係る運用を示す内規を新たに制定するもの。
(6)その他規定ぶりの適正化
スケジュール
【パブリックコメント】2025年3月5日~4月3日
【施行】2025年4月中(予定)
出典
〇e-GOV>一般高圧ガス保安規則の機能性基準の運用について等の一部を改正する規程案等に対する意見公募