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環境関連法他パブリックコメント

パブコメ「化学物質に関するグローバル枠組み(GFC)の国内実施計画(案)」について 

環境関連法他
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「化学物質に関するグローバル枠組み(GFC)―化学物質や廃棄物の有害な影響から解放された世界へ」(以下「GFC」といいます。)は、環境と人の健康を保護するために、化学物質と廃棄物の有害な影響を防止、又はそれが実行可能ではない場合は最小化することを目的として、第5回国際化学物質管理会議(2023 年9月ボン開催)で採択されました。この枠組みは、「国際的な化学物質管理に関する戦略的アプローチ(SAICM)」の後継となる新たな枠組みです。

5つの戦略的目的及び 28 の個別ターゲットが設定されており、マルチセクター(農業、環境、保健、教育、金融、開発、建設、労働等)におけるマルチステークホルダー(政府、政府間組織、市民社会、産業界、学術界等)による、ライフサイクルを通じた化学物質管理を目指したものです。

我が国では GFC の採択を受け、2024 年4月に政府内に GFC 関係省庁連絡会議が設置され、GFC 国内実施計画の策定が進められてきました。市民、労働者、事業者、行政、学識経験者等の様々な主体が参加する意見交換等の場である「化学物質と環境に関する政策対話」での議論も踏まえつつ、GFC 国内実施計画(案)が取りまとめられ、パブリックコメントが実施されています。

内容

・付属書A_GFC国内実施に向けた各主体の主な貢献より抜粋

戦略的目的内容
1AA-12030 年までに、各国政府は、その国の状況に適した形で、化学物質と廃棄物による有害な影響を防止し、防止が実行不可能な場合は、最小化するための法的枠組みを採択し、実施し、執行しており、適切な組織的能力を確立している。
2A-22030 年までに、政府間組織は、効果的な化学物質と廃棄物管理戦略を実施しようとする各国政府及び関係主体のニーズを支援するためのガイドラインを策定し、特に「化学物質管理における意思決定のための、化学物質の適正な管理に関する国際機関間プログラムのツールボックス」の更新をその基礎とする。
3A-32030 年までに、企業は、ライフサイクル全体を通じて化学物質による有害な影響を防止し、防止が不可能な場合は最小化するための措置を実施する。
4A-42030 年までに、主体は化学物質と廃棄物の全ての不法貿易と取引を効果的に防止する。
5A-52030 年までに、各国政府は、その国の国際的な義務に沿って、国内で禁止している化学物質の輸出の届出、規制、禁止に向けて取り組む。
6A-62030 年までに、全ての国が、中毒の防止と対応に不可欠な能力を備えた中毒センターを利用できるようにするとともに、化学物質のリスク防止と臨床中毒学に関する研修を受けられるようにする。
7A-72035 年までに、リスクが管理されておらず、より安全で安価な代替品が利用可能な場合において、主体は農業における有害性の高い農薬を段階的に廃止するための効果的な措置を講じ、それらの代替への移行を促進し、利用可能にする。
8BB-12035 年までに、化学物質の特性に関する包括的なデータ・情報が生成され、利用可能でアクセス可能である。
9B-22030 年までに、主体は、可能な限り、バリューチェーン全体を通じて、材料や製品中の化学物質に関する信頼できる情報を利用できるようにする。
10B-32035 年までに、主体は、化学物質と廃棄物の環境への排出と放出に関するデータに加えて、材料と製品への化学物質の使用を含む化学物質の生産に関するデータを生成し、これらのデータを利用可能にし、一般にアクセス可能にする。
11B-42035 年までに、主体は、有害性及びリスク評価並びに化学物質と廃棄物管理に適切なガイドライン、利用可能な最良の慣行及び標準化されたツールを適用する。
12B-52030 年までに、化学物質の安全性、持続可能性、より安全な代替品及び化学物質と廃棄物のリスクを削減するベネフィットに関する教育、研修、市民啓発プログラムが、ジェンダーに対応したアプローチを考慮しながら、開発され、実施されている。
13B-62030 年までに、全ての政府は、自国の状況に適した形で、全ての関連部門において、化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)を適宜実施する。
14B-72030 年までに、主体は、可能な限り、ヒト(実現可能な場合に限り、性別、年齢、地域、その他の人口動態的要因及びその他の関連する健康決定要因ごとに細分化されたもの)、その他の生物相及び環境媒体における化学物質の濃度及び潜在的ばく露源に関する包括的かつ利用しやすいモニタリング及び監視データと情報を生成し、利用できるようにする。
15CC-1特定された懸念事項について、タイムラインを含む作業プロセス及び作業計画が確立され、採択され、実施される。
16DD-12030 年までに、企業は、化学物質のライフサイクル全体を通じて、サステナブル・ケミストリーと資源効率を推進するためのイノベーションに一貫して投資し、それを達成する。
17D-22035 年までに、各国政府は、利用可能な最良の技術、グリーン調達及び循環経済アプローチなど、ライフサイクル全体を通じて、より安全な代替と持続可能なアプローチを用いた生産を奨励する政策を実施する。
18D-32030 年までに、金融部門を含む民間部門は、化学物質と廃棄物の適正管理を実施するための戦略と方針を、その金融アプローチとビジネスモデルに組み込み、国際的に認知された、又は同等の報告基準を適用する。
19D-42030 年までに、関連主体は、研究・革新プログラムにおいて、消費生活用製品を含む製品や混合物中に含有される有害物質に対する持続可能な解決策と、より安全な代替物質を優先する。
20D-52030 年までに、各国政府は、アグロエコロジー、総合的病害虫管理、適切な場合には非化学物質代替の使用を含む、より安全で持続可能な農業慣行への支援を強化する政策とプログラムを実施する。
21D-62030 年までに、主要な経済と産業部門において、持続可能な化学物質と廃棄物管理戦略が策定・実施される。この戦略では、優先的に対処する懸念化学物質を特定し、バリューチェーンにおけるその影響を削減し、さらに実行可能な場合は、その投入を削減するために、基準及び例えばケミカルフットプリント・アプローチのような措置を特定する。
22D-72030 年までに、主体は、全ての関連部門及びサプライチェーン全体において、効果的な労働安全衛生の慣行と環境保護措置を確保するための措置を実施し、その努力をする。
23EE-12035 年までに、各国政府は、全ての関連部門計画、予算及び開発計画と開発援助政策・プログラムにおける実施を通じて、化学物質と廃棄物の適正管理を主流化する。
24E-22030 年までに、化学物質と廃棄物の適正管理を達成するために、部門間及び主体間のパートナーシップとネットワークが強化される。
25E-3化学物質と廃棄物の適正管理の達成を支援するために必要な、あらゆる資金源からの十分で、予測可能かつ持続可能な資金が、民間資金の活用や革新的なブレンデッド・ファイナンススキームの促進によるものを含め、全ての主体によって、全ての部門において、枠組みのビジョン、戦略目的及びターゲットに沿って特定され、動員される。
26E-4化学物質に関するグローバル枠組み基金を通じたものを含む能力形成のために、化学物質と廃棄物の適正管理を実施するための資金ギャップが特定され、検討される。
27E-52030 年までに、各国政府は、化学物質と廃棄物の適正管理にかかるコストを、様々なアプローチを通じて内部化するための政策を導入するための措置を講じる。
28E-62030 年までに、主体は、気候変動の解決策、生物多様性の保全、人権保護、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ又はプライマリー・ヘルスケアに関するもののような、その他の主要な環境・保健・労働方針と化学物質と廃棄物管理との間の相乗効果と関係性を特定し、必要に応じて強化する。

 

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