国土交通省と環境省が共同で実施した「水道におけるPFOS及びPFOAに関する調査」について最終とりまとめ結果が公表されました。
とりまとめ結果
1)水道事業及び水道用水供給事業
PFOS 及び PFOA の暫定目標値(50ng/L)※を超過した事業数は、図 1-1 のとおりであった。暫定目標値を超過した事業数は、令和2年度は 11 事業あったが、年々減少し、2023年度は3事業、2024年度(9月 30 日時点)では0事業であった。なお、2023年度までのいずれかで暫定目標値を超過した全 14 事業において、最新の検査結果では、全て暫定目標値を下回っている。
※ 暫定目標値の考え方について
2020 年に設定された日本の水質の暫定目標値は、当時の科学的知見に基づき、体重 50kg の人が水を一生涯にわたって毎日2リットル飲用したとしても、この濃度以下であれば人の健康に悪影響が生じないと考えられる水準を基に設定されたもの。
2)専用水道
2020年度から2024年度(2024年度は9月 30 日時点)までに PFOS 及び PFOAの暫定目標値(50ng/L)を超過した専用水道の数は、検査実績があると回答した 1,929のうち、42(約 2.2%)であった。
水質基準等の分類見直しの考え方※を踏まえて、暫定目標値超過、50%(25ng/L)超、10%(5ng/L)超についての分布を確認したところ、図2のとおりであった。
※「水道基準項目及び水質管理目標設定項目の分類に関する考え方」の概要
○水質管理目標設定項目が以下の両方の要件を満たす場合、水質基準項目への格上げを検討。
分類要件1:最近3ヶ年継続で評価値の 10%(PFOS 及び PFOA の場合、5 ng/L)超過地点が1地点以上存在
分類要件2:最近3ヶ年継続で評価値の 50%(PFOS 及び PFOA の場合、25 ng/L)超過地点が1地点以上存在又は最近5ヶ年の間に評価値(PFOS 及び PFOA の場合、50 ng/L)超過地点が1地点以上存在
○ただし、個々の項目の水質基準項目及び水質管理目標設定項目への分類については、当該項目の浄水における検出状況に加え、環境汚染状況の推移や生成メカニズム、浄水処理における除去性等を総合的に評価して判断すべきであり、分類要件のみによってあてはめるべきものではない。
3)今後の予定等
国土交通省と環境省は連携して、検査をまだ実施していない水道事業者等及び専用水道設置者に対し、検査を実施するよう、引き続き呼びかけていく。
また、2024年 11 月 29 日に、国土交通省において「水道事業者等によるこれまでの PFOS 及び PFOA 対応事例について」を公表した。今後、水道において PFOS 及びPFOA の暫定目標値の超過が確認された場合は、引き続き、国土交通省と環境省が連携し、水道事業者等及び専用水道の設置者により適切な体制が速やかに図られるよう取り組んでいくとともに、都道府県等が所管する者については、都道府県等を通じた指導等に取り組んでいく。
出典
○環境省>水道におけるPFOS及びPFOAに関する調査の結果について(最終取りまとめ)
〇国土交通省>報道発表資料>水道におけるPFOS 及びPFOA に関する調査の結果について(最終取りまとめ)